幻のミニ四駆漫画 ウイニング嵐


 これは1997年の小学館学年別雑誌の小学五年生で連載されたミニ四駆漫画です。学年誌という限られた読者で、コミックス化もされておらず、最後は作者急病のため、打ち切られストーリー未完で終わりました。小学六年生でも同一タイトルで掲載されましたが、ストーリーが異なります(こちらは完結)。

 作品の特徴として登場人物がかなり大人びていること、オリジナルマシンは登場せず市販のミニ四駆やグレードアップパーツが使われていること、スーパーミニ四駆メインですがフルカウルミニ四駆も同時に出ること、類を見ない世界観と数あるミニ四駆漫画の中でも異色を放ちました(ミニ四駆漫画集などにも掲載されていません)。

 実際にはこの作品以外にも学年別雑誌などで連載されたコミックス化されていないミニ四駆漫画は多数存在するのですが、ストーリー未完も含めて、このウイニング嵐は決して忘れることの出来ない幻の作品と呼べるのはないでしょうか?

 本来は1997年時に小学5年生だった子供しか対象に取ってないのですが、管理人のように兄弟、親戚などの関係で見た人もいるかもしれませんね。非常に印象的な作品でした(特に後半が別の意味で)。


↑第1話(1997年4月号掲載時)。世紀末のような世界観が好きでした。

↑第2話(1997年5月号掲載時)。

↑第3話(1997年7月号掲載時)。敵がどう見てもミニ四駆漫画の敵じゃない(笑)。ちなみに2話と3話の間で1ヶ月休みました。

↑第4話(1997年8月号掲載時)。敵がどう見てもミニ四駆漫画の(ry…。

↑第5話(1997年9月号掲載時)。ミニ四駆漫画の主人公とは思えない、かなり悪質な方法で勝利します(最初から故意に相手の走路妨害狙い)。ただ、この世界観では十分有効でしょう。この回はネタが多いのも特徴。

↑第6話(1997年10月号掲載時)。ゼファー&サンダーキャッツとの対戦。サンダーブーメランVSレイホークガンマの貴重な対決でした。

↑第7話(1997年11月号掲載時)。ウイニング嵐と言ったらこの回が印象的な人が多いでしょう。ミニ四駆漫画に見えないのはいつものこと。

↑第8話(1998年1月号掲載時)。

まさかのここで終了

「2月号につづく」と記載はありますが、この後、作者急病により、2月号に掲載されず、3月号で連載中止と告知がありました。打ち切り自体は他の漫画でもあることですが、ヒロインのレイカが磔にされた状態で、ラスボスらしきキャラが登場して掲載終了という非常に後味の悪い終わり方をしました。ラスボスはどうでもいいのですが、この後のヒロインや兄貴の行方が気なるところ。


 この後の展開を勝手に予想するなら2月号でラスボスと対決。兄貴の行方とレイカを賭けて戦い、序盤から圧倒的な力の差でピンチになり終了。3月号で逆転の手段を思いつき、奇跡の逆転勝利。ツインダビデの組織自体が崩壊し、レイカと兄貴を救いハッピーエンド。そこまでの尺が足りなくてもレイカを助けて、一緒に兄貴を探す旅に出てエンドと子供ながらそうなって欲しかったと思いました。(この世界で「学校は?」と言うのは愚問)。

 学年を問わないコロコロコミックなどと違い、学年別雑誌の都合上、終盤で休載が入ると次の学年に引き継げないのは分かるのですが、この終わり方は本当に後味が悪かったです。作品自体は面白いのですが、ストーリーは全体的に暗い印象で、このラストの不気味な感じは、ある意味ウイニング嵐に相応しい終わり方だったのかもしれません。

ちょっとレイカを助けに行ってくる!


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